人類を繁栄させたヒトの目の特徴とは?

  • 2019.05.06 Monday
  • 11:22

人類を繁栄させたヒトの目の特徴とは?

 

トウ先生、これまでに数多くの動物の眼についてお話しいただきましたが、私たち人間の眼についてはどうでしょう。他の動物にはない特徴はあるのでしょうか。

 

視覚のある意味での鋭敏さという点では、ヒトの眼はタカ、ウ、ツバメなどの鳥類、カメレオンなどに劣ります。ただヒトの眼には他の動物にはない大きな特徴を2つ持っています。まずひとつは共同性の眼球運動がすぐれており、特に“より目”が出来ることです。もうひとつは視覚による想像力が豊かなことです。

 

り目と想像力…それはどのように役に立つのでしょうか。

 

より目が出来るということは、遠方だけでなく近方も両眼視して立体的に見ることが出来るということを意味しています。視覚による想像力が豊かであるということは、たとえばマンガや絵画を見て、あたかも実物を見ているのと同様に状況を把握できるということであり、人類が文字を生み出すことができた所以です。

この2つの眼の特性が、人類が他の動物を凌駕し地球を支配するようになった大きな要因となっています。

 

が強いとはいえない人類が地球を支配するようになったのは、他の動物以上の知恵が与えられていたから、とも言われますね。

 

決してそれだけではなく、ヒトだけが持つ解剖学的な特性と眼の特性によるところが大きかったのです。少し説明していきましょう。

解剖学的にヒトが他の哺乳動物と異なる点は、直立歩行、オトガイ(下顎)の発達、表情筋があることの3点と言われています。

直立歩行によって上肢(手)を自由に使うことが出来るようになり、より目ができることで手先の仕事を容易になり、火や道具の発明や使用を可能にしていったはずです。また、オトガイの発達により複雑な発声が可能になり集団の中に言葉が生まれました。そして視覚による想像力が豊かなことが更に文字を生み出すことになり、コミュニケーション手段を一層発達させることになったのです。

 

恵だけではなく、ヒトだけが持つ解剖学的および眼の特性が生み出した道具や言語というものが、他の動物を凌駕していく大きな武器になったのですね。

 

(原作:医学博士  武藤政春)

 

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