「目」のつく地名 〜北海道・東北地方編(2)〜

  • 2018.08.10 Friday
  • 15:34

「目」のつく地名 〜北海道・東北地方編(2)〜

 

回は日本に「目」のつく地名についてのお話でした。東北地方だけでも、「目」のつく地名は語りつくせぬほどありそうですね。

 

青森県の川目、大川目、西川目、下清水目…、岩手県の内川目、立川目、横川目、外川目…、宮城県の反目(そりめ)、桜ノ目、塚ノ目、霞目(かすみのめ)…、山形県の落野目、糠野目…など、東北地方にはやたらと「目」のつく地名が多いようです。

そして興味深いのは、東北地方の北部には「――川目」という地名が多く、南部には「――の目」という地名が多くなることです。「――の目」という地名は栃木県まで及んでいます。

 

当にいろいろありますね。この「目」にも意味や由来があるのでしょうか。

 

この東北地方独特といえる「――目」という地名の目の字は、本来「べ」であったものが「メ」に転化したものであろうと思われます。

秋田県阿仁町に岩野目沢という地名がありますが、この辺は非常に岩場の多い辺りです。そんな所から、岩の多い辺り→岩の辺(いわのべ)と本来名付けられたと考えるとわかりやすいでしょう。

仙台市の霞目はよく霞がかかる所であり、一関市の山目は奥州街道筋でここだけ山が迫っている地形です。本来は、霞の辺(かすみのべ)、山の辺(やまのべ)と命名されたのではないでしょうか。

 

部の「――川目」という地名も同様に、「――川辺」がいつしか「――川目」に転化していったものなのでしょうね。

 

川目、山目というと、関東人にとって奇異な名称ですが、川辺、山辺と書き換えてみると違和感がなくなりますね。東北地方の「――メ」という地名は殆どが本来は「――べ」であったのだろうと思われます。

「目」のつく地名を見ていくだけでも、その土地の文化を垣間見るようで興味深いですね。またいずれ他の地方についてもお話ししていきましょう。

 

(原作:医学博士 武藤政春)

 

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